矢が後ろにいくとき
矢が的の後にいくときは、離れで弓手の手の内が効きすぎている、離れで弓手を振っている、前離れになっている、頬付けができていない、ねらいが的の後になっているなどの原因があります。
離れで弓手の手の内が効きすぎている
離れで弓手の手の内が効きすぎていると矢が的の後ろにいくことがあります。
弓返りも大きくなり、弦が手首にあたってはね返ってくるくらいになることもあります。
矢飛びにカーブがかかりすぎた状態になり、的の後ろに矢がまとまることになります。
弓手の手の内で弓を強く握りすぎて、握り皮の部分を左側(背中側)にねじりすぎるようなかたちになっているので、離れで矢が的の後ろ側に引っ張られてしまうことが考えられます。
弓手の手の内の握る強さを程良いカーブがかかる程度まで緩めて引くようにしましょう。
離れで弓手を振っている
離れのときに弓手を背中側に振ってしまうと矢が的の後ろにいったりします。
離れで矢先を的の後ろ方向に動かしてしまっていることになります。
離れでは弓手は会のときより反動の一拳分だけ背中側にいくのが通常です。
妻手も一拳分だけ後ろにいく状態で、残身では普通に両腕を左右にまっすぐ広げた状態になります。
弓手がそれ以上動くのであれば、弓手を振ってしまっている可能性があります。
原因としては矢が的の前にいった時の対処として、矢を的の方まで動かそうと弓手を振ってしまっている癖のようなものが考えられます。
注意して引けば自分でも直せるのですが、離れの瞬間的な状態のものなので周りの人に見てもらって指摘してもらうのが良いでしょう。
ただ、癖になってしまっているのが考えられるので、1カ月くらい時間をかけて再発しないように直していくことが大切です。
前離れになっている
妻手が体の前側で離れる前離れになっていると、矢が的の後ろにいきます。
矢筈側が頬付けから離れる分、矢が的の後方向に向くからです。
矢はきちんと頬付けされてるまま離れなければいけません。
瞬間的に離れで頬付けから離れてしまっていることが考えられます。
離れの瞬間に矢を的方向に向けようとしたり、ブレた離れになってしまうことで頬付けから離してしまったりということが考えられます。
離れは力みやブレがなく、すっと正しく離れることが大切です。
頬付けができていない
頬付けができていなければ前離れと同様に矢が的の後ろ方向に向かったまま離れることになります。
頬付けの甘い人、物見が身体から前側に出っ張りがちな人、眼鏡をかけている人などは、弦で顔や眼鏡をはじいたりしないようにと、頬付けをしなくなってしまうことがあります。
物見が身体に対してしっかりと真っ直ぐにできていれば、手の内の働きで弦が身体の外側を通る軌道となるので顔をはじくことはありません。
物見をまっすぐにして矢がきちんと頬付けされている(軽く頬に付いている)状態で正しい離れをしましょう。
狙いが的の後ろになっている
手の内ができているのに弓摺籐の真ん中に的がくる狙いのままだと的の後ろに矢がいきます。
狙いは的が弓摺籐の真ん中〜弓摺籐の左側で的を半分に割る狙いの間で矢所がまとまるところに自分で調整してしまって大丈夫です。
正直なところ、狙いは射の完成度や手の内の完成度によって変化します。
ある程度矢所がまとまっていれば、矢所で自分に適した狙いが分かります。
的が弓摺籐の真ん中〜弓摺籐の左側で的を半分に割る狙いの間で調整しましょう。
ただ、狙いをすぐ調整してしまうのは矢所が定まらないだけなので注意です。
どうしても矢所が違うところにまとまる時に調整する程度です。
まとめ
矢が的の後ろにいくのもいくつか原因があるので考えられることを試して修正しましょう。
周りの人に本座あたりに立って見てもらうか動画を撮るなどして、矢飛びの状態をみるのがいいと思います。
以上のようなことは射癖のようなものなので、簡単に修正できるわけではないかもしれませんが、逆に良い癖をつける感じで修正していけば直るものですので、焦らず根気よく直しましょう。
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