弓道の手の内は簡単なようで奥が深いです。
手の内を正しく整えることで弓の力を最大限に矢に伝えて的中率を向上させます。
弓道の手の内のポイントをまとめました。
弓道の手の内のポイント
弓構え時の手の内
弓構えの際に弓手の手の内をしっかりと整えます。
虎口(親指の根元と人差し指の間にある部分)の皮をしっかり弓にあて、中指・薬指・小指を外竹の角にあてます。
引分けの時の手の内
引分けの際に角見を活かして的方向へひねり押し込む力を加えます。
これにより、角見が効いて弓の力がより効果的に伝わります。
会から離れの時の手の内
会でしっかり手の内を保持して、離れで弓の力を矢に伝えます。
角見を活かして手の内が崩れずに安定していることが大切です。
特に上手な高段者は手の内がブレずに終始安定しているのが分かります。
会から離れをしてもほとんど手の内が動きません。
角見と虎口と天文筋で弓を安定させる
天紋筋
手のひらにある小指側から人差し指に向かって伸びている線です。
この線に弓の外竹の左角を当てることで、弓を安定させます。
ちょうど中押しの状態になります。
角見と爪揃え
親指と小指の付け根を近づけて掌をすぼめるようにし、親指と中指で輪を作り薬指と小指を添えて爪揃えをします。
親指は爪を上に向けて力を入れすぎないように伸ばして角見を効かせます。
虎口の形成
虎口は親指の根元と人差し指の間にある部分で、ここを弓にあてて弓を押し開く形になります。
弓を下から巻き込むようにして、力を伝えやすくします。
握卵の状態を保つ
掌根に空間を持たせて握卵(卵を握った)の状態が良いとされます。
余計なところで弓を握らずに効果的な手の内で弓の力を矢に伝えます。
掌根で弓を握ってしまうとベタ押しになります。
中押しの重要性
中押しは弓の力が矢にしっかりと伝わります。
手の内を小さく作り、毎回同じように整えることが求められます。
上押しが強いと矢飛びが鋭くなります。
ベタ押しになると矢飛びが悪くなります。
紅葉重ねの手の内の作り方
親指の根元と小指を近づけて手をすぼめます。
中指と薬指を差し込むように握って爪揃えをします。
中指の爪半分の上に親指を重ねるようにします。
大三に移行する時に親指を中指の上側にずらして手の内を完成させます。
紅葉重ねの手の内は弓を握卵の状態で握るための一つの方法です。
手の内が出来ていて角見・握卵・爪揃いなど整っていれば通常の手の内でも大丈夫です。
弓道の手の内の注意ポイント
人差し指は伸ばしても曲げてもいい
人差し指は伸ばしたままでもいいですが、段位が上がると曲げて行射するようになります。
学生の大会入賞者でも人差し指を伸ばしたままの人が多いので行射や的中にそれほど影響はないようです。
見た目的なところもあるでしょうし、骨格的に人差し指・中指・薬指・小指が曲がる方が自然な感じがします。
一般弓道では段位が上がると人差し指を曲げて行射する人がほとんどです。
親指の根元と中指の先は離れ過ぎない
親指の根元と中指の先が離れ過ぎていると、正常に手の内が働きません。
ベタ押しになり矢所が安定しないので修正しましょう。
爪揃いが出来ているのが望ましい
爪揃いが出来ている方が良いのですが、手が小さくて小指が揃わない人もいます。
称号者でも小指がまわりきらないのか爪揃えしていない方もいます。
中指と薬指は揃えましょう。
角見は出っ張りすぎないように
角見が出っ張って山型のようになると矢が擦れやすく、角見の皮が擦れて傷ついたり出血したりしてしまいます。
押手弽を付けてカバー出来ますが、押手弽は見た目にも良いとされないので通常は付けない方が良いでしょう。
人の骨格上角見が平らになるのは難しいですが、出っ張りすぎないようにしましょう。
手の内を確認しながら練習する
自分で鏡で確認したり先輩や指導者からのフィードバックを受けたりして、手の内を確認しながら練習しましょう。
弓道の手の内のポイントまとめ
手の内を構成する角見・虎口・天文筋・爪揃えに注意して行射することが大切です。
正しい手の内で練習することが安定した矢所につながります。
手の内を鏡で見たり先輩や指導者に見てもらい、確認しながら練習しましょう。
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