弓道の遠的とは

弓道の遠的

弓道の遠的とは

弓道には近的競技と遠的競技がありますが、近的の的中制なのに対し、遠的は主に点数制(中心から10点・9点・7点・5点・3点)になります。

的までの距離も、近的の28mに対し、遠的は50m・60mとなります。

遠的の大会や練習会がなければ、正直遠的はそんなに引く機会はないですが、個人的に遠的は好きです。

矢を放って、弧を描いて的に中る感覚が近的とは違ったものがあります。

弧を描いて飛ぶため、手の内の働きや離れの影響が出やすいです。

手の内が効きすぎていれば矢は的の後ろに飛んでいきます。

離れは自然な鋭い離れができていればきれいに飛んでいきます。

近的は弦音とともに安土に矢が到達するので多少矢飛びが乱れても的中することがありますが、遠的は矢飛びが大切になってきます。

遠的は的が122㎝くらいなので、近的よりも的が大きくてやりやすい、という人もいるみたいですが、それでも実際練習しないことには始まりません。

でも、ある意味遠的は自分の射を見直す良い機会になると思います。

弓道の遠的の引き方のコツ

遠的は退く胴(腰から上を5度くらい左上に傾けて矢先を上げる)になります。

基本は近的の射法八節なのですが、おもに2種類の引き方があります。

普通に引いて、会で矢先を上げて退く胴になる。

大三の後、矢先を上げ、退く胴のまま引き分ける。

僕は会で緩まないように後者で引いていますが、どちらでも自分に合った引き方でよいと思います。

そして、離れで妻手はその分切下げる形になります。

ちなみに気を付けたいのが、その後に近的を引くとき、胴造りが普通に戻るように意識して引かなければいけないということです。

遠的の的付け

近的の的付けの高さは、弓の矢摺籐を通して的を見ることがほとんどだと思いますが、遠的の的付けの高さは、矢先を上げて狙う分、上の位置になります。

遠的は弓手の拳などを通して的を見る形になります。

僕は弓手の指のあたりに的付けするという感じになります。

遠的の矢

近的用に使用している矢でも代用できますが、やや重く、矢飛びが重い感じがします。

遠的用の矢は弓具屋で販売していますので、遠的を引く予定があるのなら持っていると良いです。

ジュラルミンの矢でシャフトの太さは1913(近的用男性は2015)、羽根は近的用よりやや細い形をしています。

4つ矢で競技することを考えると6本セットの方が良いです。

矢が故障した時など予備の矢があると良いですし、矢所を確認するために、たいてい自分達で矢取りに行くので、6射くらいして矢取りに行くということができます。

弓道の遠的の的紙などの価格

弓道の遠的の的紙は弓具屋で購入できます。

段ボール製の遠的的(10枚):¥13000~
遠的スタンド:¥20000~
遠的マット:¥26400~
遠的エプロン:¥25000~

安価という訳ではありませんね。

遠的の的は遠的射場に備品として設置されていますので、一般の人は購入することはあまりないと思います。

学校とか広い場所を確保できるなら遠的射場を設置できるとは思いますが、安全面に厳重に注意して練習しなければいけませんので、遠的射場のある弓道場に出かける方が良いと思います。

遠的射場の併設されている弓道場は一般の弓道場の20%程度でしょうか。

遠的射場のある弓道場はあまり多くはなく、近くになければ出向く形になります。

手軽に一人でも遠的を練習できる弓道場もあれば、数人でないとちょっと使いずらいような遠的場も中にはあります。

有志の数人で練習会みたいな形で練習しに行くのも良いかと思います。

遠的も練習すれば的付けや引き方も慣れてきて上達します。

たいていの射会は近的競技で、遠的を練習していればライバルが多くないため、近的より上位に入りやすいのではないかと思います。

Takano

高校時代の弓道部から弓を始めました。
選抜県大会で16連中、団体3位に貢献。
明治神宮奉納全国弓道大会では3次予選で敗退。
弓道四段。現在も修練中。
母校の弓道部コーチ、市の連盟では初心者を指導。
アーチェリーの経験もあります。

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