弓道の矢渡しとは
弓道の矢渡しは、射会や大会の開始の時に行ないます。
その射会や大会において主催する一番高段の方が行なうことが多く、場合によっては射会の前回の優勝・入賞者が行なったりします。
矢渡しは安全に行事が行われるように安土に矢を通す儀式になります。
矢渡しは他の武道で言う模範演武のようなもので、射会や大会で重要な役割を持っています。
射会や大会の終了後に行なうのが納射で、主にその射会や大会においての優勝・入賞者が行います。
正式には和服着用で、肌脱ぎやたすき掛けを射手が行いますが、道着だけの着用のときや納射のときは肌脱ぎやたすき掛けは行いません。
学生の部活であれば選手が矢渡しをすることはほぼ無いでしょう。
学生の大会では、大会を主催する代表の先生方が矢渡しを行なうことがほとんどです。
一般の弓道になると、優勝・入賞すると矢渡しや納射の担当になる可能性が出てきます。
初段ぐらいだと、まだ矢渡しの機会は無いかもしれません。
射手・第一介添え・第二介添えのうち、一つづつ覚えて練習していけば、できるところに交代してもらうことも可能ですし、そういう場面になっても大丈夫です。
段位が参段以上とかなってくると、どの担当でもできるようにしていかなければいけませんが。
所属道場の射会における矢渡しや納射であれば、内輪でする射会になるので、間違いとかあれば教えてもらえますし、練習する良い機会になります。
普段から矢渡しについても見取り稽古をして、作法を覚えて確認していくようにしていくといいと思います。
矢渡しや納射は直接競技には影響はありません。
でも、矢渡しや納射はその射会や大会の模範となるもので、参加者の士気を上げるのにも重要な役割を持っているので、しっかり行えるようになっておきたいものです。
矢渡しの手順
矢渡しには、射手・第一介添え・第二介添えがあり、それぞれが息を合わせ、三位一体となって進行することが大切になります。
◎射手
全員で入場→定めの座で全員で正座・礼
→本座で男性は肌脱ぎ・女性はたすき掛け
→射位で座射→本座に下がり待機→第一介添えから矢を受け取る
→全員で正座・礼→全員で退場
◎第一介添え
全員で入場→全員で正座・礼→指建礼で待機
→射手の肌脱ぎ・たすき掛けのサポート
→指建礼で待機
→矢道側に行き、第二介添えから矢を受け取る
→射手の後ろにまわり、矢をわたす
→全員で正座・礼→全員で退場
◎第二介添え
全員で入場→全員で正座・礼
→安土の看的場側に行き、指建礼で待機
→射手が甲矢を放ったら、矢取りをする
→看的場側に矢を立て、指建礼で待機
→射手が乙矢を放ったら、矢取りをする
→矢を持って射場に向かう
→矢を第一介添えに渡す
→全員で正座・礼→全員で退場
道場がすいている時に実際に位置を確認して練習できると良いです。
動作を練習して確認するだけなら自宅でも充分に可能です。
これらがしっかりこなせれば、高段者に必要とされる射の品格がさらに上がることでしょう。
射の技術を磨くのも大切ですが、矢渡しや納射の練習もしていきましょう。
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