弓道八節において、三重十文字を保つことは重要です。
「両足の土踏まずと腰と両肩を結ぶ線が平行になるようにし、身体の中心の線に対し、十文字をなすようにする。」
これが重要なんですが、なかなか難しいものだったりします。
昇段審査の学科試験に出題されたりもします。
「三重十文字について述べなさい」といった感じにです。
三重十文字はそれだけ大切だということですね。
両肩で弓を迎えにいくような引き方だと、三重十文字が崩れます。
身体の中心の縦線が崩れて胸が前に出る感じになり、会が不安定になります。
遠的だと、一般的に退く胴で引くのですが、遠的の引き方をした後に近的の引き方に戻すと退く胴になりがちです。
矢が的の上方向に外れがちになったりします。
また、両肩を結ぶ線は弓を引いて負荷がかかった状態で八節の一連の動作を行うので、崩れがちになります。
弓の力に負けて、弓手肩が後ろに逃げてしまったり、妻手肩が潰れるように前に入ってしまったりすることがあります。
逆に弓手肩が弓の方に入りすぎてしまったりすることもあります。
三重十文字の両肩を結ぶ線が崩れてしまい、矢の引き尺が微妙に変わってしまったり、力の入り加減や力の向きが変わってしまい、射が安定しなくなってしまいます。
これらのような時は、感覚と実際の射型が違ったりするので、実際にチェックして修正するしかありません。
両肩の線と矢が平行になるように保ちながら行射したり、縦線が真っ直ぐになるように保ちながら行射します。
両足の線、腰の線は胴造りがしっかりしていれば大きくは崩れません。
そうやって、安定した三重十文字を習得するために修練をします。
三重十文字が崩れていないかチェックしながら行射するということです。
行射の過程を師範の先生や一緒に修練している人に見てもらうと良いでしょう。
実際に良い悪いがすぐ判断できた方が修正はしやすいです。
一連の動作を動画にして撮影してみたり、鏡に映してみても良いでしょう。
鏡を見ながらの行射で注意したいのが、あくまで鏡は動作したあとのチェックだけにするということです。
鏡を見ながら引くのでは、身体の状態の感覚がつかめません。
大三→チェック→会→チェックというようにすると、状態が分かり、感覚がつかめてきます。
正しい三重十文字を保てるように修練していきましょう。
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