弓道の五重十文字とは

弓道の基本

弓道の五重十文字とは

弓道には五重十文字があります。

弓を引いて離れる動作にはあまり必要ないのではと思われがちですが、正しい射をする上で大切なことになります。

五重十文字

弓と矢の十文字

矢をつがえたときから会・離れまで弓と矢が十文字になっていないといけません。

弓を引いた力が真っすぐに矢に伝わらなければいけないからです。

弓と矢の十文字は矢をつがえたときに決まます。

矢筈は弦にはめるので、矢つがえから離れまでその位置からは動きません。

弓と弓手手の内の十文字

弓と手の内が十文字にならないといけません。

手の内が上下左右に傾くと矢もそちらに引っ張られてしまいます。

打起しや大三では手首を少し曲げて手の内が弓に対して直角になるようにします。

そのようにして、弓構えから離れ・残身まで弓と手の内の十文字を保ちます。

かけの親指と弦の十文字

取りかけを正しくおこなって、弦を保持するかけの親指と弦が十文字となっていないといけません。

弦に対して直角に親指を保ったまま引き込むことが、矢に対してもムリのない弦の力がはたらくことになり、力強い鋭い離れにつながります。

取りかけから会・離れまで十文字を保ちます。

胸の中筋と両肩を結ぶ線の十文字

身体の中心である胸の中筋と両肩を結ぶ線が十文字になっていなければいけません。

ここが崩れると力がうまく伝わらず不自然な引き方になってしまいます。

胴造りのときから離れ・残身まで十文字を保つことが理想です。

首筋と矢の十文字

首筋と矢の十文字四つの十文字の集大成になります。

この十文字がしっかりできていれば、射のバランスが良く矢も真っすぐに飛ばせるかたちができています。

打起しから会・離れまで十文字を保ちます。

注意点や心がけ

これらの十文字は会のときにきっちりできていると良い射になります。

でも、会に入ったときに十文字を一つ一つ確認している余裕はありませんし、会で急に十文字をつくろうとしても上手くいきません。

胴造りなどの段階から最後の残身のときまで十文字を保とうと流れにすることが会での十文字の完成へとつながります。

十文字は練習のどこかで客観的な目でチェックしていく必要があります。

自分の身体の感覚と実際の身体の状態は違うことがあるからです。

師範の先生や周りの人に見てもらってもいいのですが、自分の目でも確認しなけれはいけません。

どの場所がどのような状態になっているのか、そして修正してどのような状態になったのかを理解できていることが大切になります。

巻藁とか射位でも鏡の置いてある前でちらっと見て確認します。

鏡を見るとバランスが崩れてしまうので体勢を戻して引く必要がありますが。

動画を撮って確認してもいいでしょう。

そのようにして、どこかおかしいところがあれば修正していくようにすれば大丈夫てす。

真っすぐに立ち、十文字で取りかけ、打起しをし、大三、引き分けをして、会、離れをする。

そして、残身まで十文字を保ちます。

近的でも遠的でも同様におこないます。

五重十文字が完全にできていることが理想ですが、てきていなくてもムリに修正しなくても大丈夫です。

五重十文字が完全ではなくても正直的中はします。

でも、それはタイミングや力のバランスによるものが大きいので、再現性の低い射になります。

堅いものを射たり矢飛びを良くしようと上押しを強くして引くこともたまにあるかもしれません。

これは弓と弓手手の内の十文字からは外れた例外にはなりますが、基本的に五重十文字はしっかり守ることが大切です。

十文字をつくろうとすることで自分の射がわからなくなったり逆にムリな引き方になってしまうのも良くないので、技術の習得の状況や練習を繰り返す中で様子を見ながら修正していって理想の射に近づけていくことが大切です。

僕は一般の弓道場でも教わるようになってから、その様に師範や先輩方に教わって実践してきました。

射技の講習会において実際そのように教わることがあると思います。

まとめ

弓道の五重十文字は正しい射をする上で重要なことになります。

胴造りなどの状態から残身までの流れで十文字を保とうとすることが安定した五重十文字の完成につながります。

自分の技量や射の状況を見ながら練習を繰り返す中で修正していくことが大切です。

Takano

高校時代の弓道部から弓を始めました。
選抜県大会で16連中、団体3位に貢献。
明治神宮奉納全国弓道大会では3次予選で敗退。
弓道四段。現在も修練中。
母校の弓道部コーチ、市の連盟では初心者を指導。
アーチェリーの経験もあります。

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