弓道の物見とは
弓道の物見とは、顔向けのことです。
射法八節の胴造りをして、取掛けをした後に物見を入れます。
この物見も、弓道をする上で重要な役割を持っています。
箆調べ(のしらべ)をするのと同じように、矢を箆から矢尻に向かって目線でなぞるように、静かに真っ直ぐに物見を入れます。
物見が浅いと弦で頬を弾きやすくなります。
離れで弓返りができていない時期に物見が浅いと、弦の通り道に顔が出っ張ることになり、弦で頬を弾いてしまいます。
また、物見で頭が背中側に傾くことを照ると言います。
物見が照ると、会で身体に弓矢がうまく収まらずにバランスの良い会にならないので、良い状態ではありません。
逆に頭が弓の方に傾いたり、あごが浮いて頭が妻手方向に傾くのも良い状態ではありません。
人の骨格上、物見を入れすぎて物見が深すぎるということにはなりませんが、無理に物見を入れすぎると首筋を痛めたりするので気を付けましょう。
特に物見のコツというわけではありませんが、あごを引いて頭頂部が引っ張られるような感じで頭を真っ直ぐに保ちながら物見を入れれば、首筋が垂直に真っ直ぐに入ります。
物見がきれいに入れば矢を正しく引き込むことができ、会で首筋と矢がきれいな十文字となります。
物見をきれいに入れるには
物見をきれいに入れるには、正しい物見の状態を身体で覚えることが大切です。
弓を引いた状態で周りの人に物見の状態を見てもらいましょう。
自分で物見の状態を確認する方法もあります。
鏡が的前方向になるように立ち、素引きをすることです。
弓を引き分けるにつれて物見が傾くことを自分で修正しながら引くことができます。
ただ、鏡を的前方向にして矢を番えて引き込むことは大変危険なので行わないでください。
徒手練習であれば自宅でも練習することができます。
鏡を的前方向にして鏡に向かって物見を入れ、引き分けをする練習をします。
ゴム弓を使って練習するのも良いです。
自分で正しく物見を入れたと思っていても、以外とあごが浮いていたりとか、頭が傾いていたりするものです。
物見が傾くと会のバランスが崩れたり、口割りの位置も微妙に変わってきたりする原因にもなります。
時々自分で鏡を見るなどして、物見の状態を確認することをおすすめします。
正しい物見をして正射につなげてもらえればと思います。
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