弓道の離れの出し方

弓道上達法

弓道の離れの出し方

弓道の離れは、会で詰め合い伸び合いをしっかり行なって、気合の発動とともに離れます。

会で引き尺が充分であり、狙いも定まり、詰め合い伸び合いができている状態であれば、離れを待つだけです。

離れは割れるように離れると言います。

ゴム鉄砲のように張りつめていたものがパチンと離れるような感じです。

しっかり張りつめたまま鋭く離れないと、ゴムは失速してうまく飛んでいきません。

張りつめていたものが勢いよく割れるように鋭い離れをすることで、矢飛びのある良い射が生まれます。

初心者のうちは形として、引き分け→会→離れ、としての流れなります。

会で5秒くらい持って、勢いよく離れるという感じです。

上達すると、自然な流れで、会からやごろの状態が来て離れるという感じになります。

それが左右均等に、胸の中筋から割れるように離れるという状態につながります。

物理的には条件反射のような状態だと思います。

会からやごろの条件が整って、離れる感じです。

繰り返し修練を積むことによって自然な流れになっていくんですね。

離れを出すという状態から、離れが出るという状態になります。

その条件反射が悪い癖として、やごろが来る前に出て来てしまうのが早気であり、やごろが来ても離れないのがもたれになります。

でも、一射一射丁寧に正射を心がけて修練を積んでいけば、このような射癖が出ることは防ぐことができます。

小離れと大離れ

また、離れには小離れと大離れがありますが、現在の弓道では大離れが一般的です。

小離れは残身での妻手肘の角度が90度くらい以下になります。

大離れは残身での妻手肘の角度が160度くらい以上になります。

小離れというとアーチェリーのリリース(離れ)の形に似ています。

弓道も小離れでも的中はしますが。

アーチェリーは弓道よりも弓も矢もコンパクトにまとまっていて、引き分けも弓手の肩くらいまでなので小離れでも充分です。

大離れの方がダイナミックで力のバランス的にも弓道のような大弓には合っていると思います。

しっかりと大離れをしていくことで、射が小さくまとまらず、何度でも良い射を生み出すことができると思っています。

ユガケに適度にぎり粉つける

そして、ユガケにつけるギリ粉も鋭い離れに影響してきます。

ギリ粉をつけないと指を引っかけて保っているところが摩擦のない滑りやすい状態になり、それが逆にユガケを握り込むのに近い状態になってしまいます。

これでは鋭い離れにはつながりません。

ギリ粉をつけすぎると指を引っかけて保っているところが摩擦が多すぎる状態で、くっついて引っかかるような状態になります。

これも鋭い離れにはつながりません。

ギリ粉は指を引っかけている部分に軽くかけて均等にならしていく程度でいいです。

人によって個人差はありますが、これも回数を重ねると適度な状態にできるようになっていきます。

まとめ

これらのように、良い離れが出るにはいくつかの条件が必要になってきます。

高段者になればいつでも良い離れが出るという訳ではないです。

それほど難しいものではあるのですが、少しでも良い離れが出るように、修練を積んでいきましょう。

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Takano

高校時代の弓道部から弓を始めました。
選抜県大会で16連中、団体3位に貢献。
明治神宮奉納全国弓道大会では3次予選で敗退。
弓道四段。現在も修練中。
母校の弓道部コーチ、市の連盟では初心者を指導。
アーチェリーの経験もあります。

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