弓道の掃矢
掃矢とは弓道で矢を飛ばしたときに矢が地面を擦って掃くようにあずちに届くことを言います。
矢が地面と擦れ合うので「ジャリ」という音がします。
矢がジュラルミン製で地面が硬い時などは火花が出たりすることもあります。
言ってみれば矢を粗めのやすりでこすることになりますので、矢の箆の部分を傷めたり、羽根を傷めたり欠けさせたりすることがあります。
弓道場によっては矢道の的の直前で盛り上がって微妙に丘みたいになっているところがありますので注意が必要です。
何にしても掃き矢は矢にとって良いことではありません。
意識すると逆に硬い射になってしまい良くなくて、普通に行射していれば大丈夫なのですが。
極力掃き矢はしないように気を付けていきたいものです。
掃き矢の原因と対策
引きが足りない
弓の引きが足りないと矢があずちまで届かずに掃き矢になることがあります。
しっかりと引き分けをして充分矢を引き込みましょう。
緩み離れをしている
緩んで離れをすると矢が届かないときがあります。
引きが足りないのと同じ状態になります。
一瞬の癖になるので自分では気付かないこともあるかもしれません。
緩み離れは離れに対しての怖さが出ていたり、タイミングに頼って離れているときにおきたりします。
離れの怖さは離れで弦で顔をうったり髪を払ったりしていると出てきます。
弓手や妻手や物見が正しい位置でできていてスッと離れれば顔をうったりはしません。
そういうことに気を付けてまずは正しい射で離れをするこで、緩み離れはなくなっていきます。
タイミングに頼って離れをするのは、弓手や妻手の位置や引き尺ができた時点で離れようとする条件反射ができてしまっているからです。
このような癖も簡単に直るものではないので、じっくり取り組んでいく必要があります。
離れで弓手や妻手が矢筋からズレる
離れの瞬間に弓手や妻手が矢筋(矢の延長線)からズレた動きをしてしまうときです。
離れで弓手や妻手が矢筋からズレると、矢が飛んでいく軌道が変わります。
矢の軌道が下を向けば、掃き矢をすることになります。
ズレた動きをしないで矢筋に沿って離れれば矢の軌道は変わらずに、そのまま的に向かって飛んでいきます。
高段者や称号者の方の射を見てみると離れでも無駄な動きがないのでよくわかると思います。
矢が角見から外れてしまう
矢が角見に乗っていなくて外れた状態で離れてしまうと、矢先が下を向いて掃き矢になってしまうことがあります。
離れの瞬間まで矢は弓手の角見に乗って妻手の取りかけにおさまっていないと狙いを定めた方向に飛んでくれません。
取りかけで矢を握り込んだりしてしまうと矢こぼれしたり矢が角見から浮く状態になってしまいます。
矢に余裕をもたせた取りかけで行射することが大切です。
まとめ
掃き矢は矢にとって良いことではありませんので、原因を見つけて解決しましょう。
かといって逆にプレッシャーを感じて硬い射になってしまうのも良くはありません。
普通に矢が的に飛ぶような射ができるように修練を積んでいきましょう。
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